この共同研究(以下「本研究」)は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Deve lopment、以下「AMED※1」)の平成31年(令和元年)度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(患者層別化マーカー※2探索技術の開発)」に 係る公募で採択された神奈川県立がんセンターが、 AMEDからの研究費助成を受け、代表機関として実施します。当社は、公立大学法人横浜市立大学(以下、「横浜市立大...
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2019年11月13日
味の素㈱、アミノ酸解析技術でがんの次世代治療・診断の技術開発事業に参画
~国立研究開発法人AMEDの公募に採択された神奈川県立がんセンターと研究開発契約を締結~
味の素株式会社(社長:▇▇▇▇ 本社:▇▇▇中央区)は、地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター(総長:▇▇▇▇ 所在地:神奈川県横浜市、以下「神奈川県立がんセンター」)と、がんの次世代治療・診断における共同研究の実施に合意し、2019年11月12日に再委託研究開発契約を締結しました。
国立研究開発法人
日本医療研究開発機構
(AMED)
応募 採択 研究開発契約神奈川県立がんセンター
再 委 託 研 究 ▇ ▇ ▇ 約
横浜市立大学
味の素㈱
久留米大学
この共同研究(以下「本研究」)は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、以下「AMED※1」)の平成31年(令和元年)度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(患者層別化マーカー※2探索技術の開発)」に係る公募で採択された神奈川県立がんセンターが、 AMEDからの研究費助成を受け、代表機関として実施します。当社は、公立大学法人横浜市立大学(以下、「横浜市立大学」)と学校法人久留米大学(以下、「久留米大学」)と共に参画し、肺がん治療の患者層別化マーカー探索に関する研究を推進します。今回の当社の参画は、
「アミノインデックス®」事業で培った、血液中アミノ酸濃度バランスの変化に関する当社の解析技術が評価されたことによるものです。
がん患者の治療においては、手術療法や放射線療法、薬物療法、および免疫療法など、がんの種類や特性に応じて多様な選択肢があります。がん患者の体質を含む諸条件によって治療効果には個人差がありますが、患者ごとに適切な治療を行うためには、事前に効果の期待できる患者を選択する「患者層別化」の技術開発が喫緊の課題となっています。より適切な治療法の選択を可能にすることは、がん患者の身体的負担の軽減や医療費の削減にもつながります。
近年、がんの治療において、免疫チェックポイント阻害剤※3と呼ばれる新しい薬剤が登場し、大きな注目を集めています。現在臨床で使用されている免疫チェックポイント阻害剤の患者層別化は、主に腫瘍組織の解析等によるものですが、治療効果が期待できる患者の選択という点においては途上段階にあります。今後患者のがんの状態に応じてさらに適切な治療を行うためには、免疫チェックポイント阻害剤の効果が期待できるがん患者を選択する、精度の高い患者層別化マーカーの開発が必要とされています。
患者層別化の概念
薬剤治療対象
アミノ酸解析技術による
患者層別化マーカー
薬剤効果が
期待できない患者
薬剤効果が期待できる患者
こうした状況の下、本研究において当社は肺がん※4患者の血液中アミノ酸濃度バランスの変化を解析し、免疫チェックポイント阻害剤の適用疾患となっている肺がんの患者層別化マーカーとして実用化することを目的とした研究開発を行います。アミノ酸はたんぱく質や核酸などの生体成分やエネルギー源として利用される栄養素であり、がん細胞の増殖やがん免疫微小環境※5)の制御にも関与するため、当社のアミノ酸濃度バランスの解析技術は、個人差に応じた効果の高い治療の実現にも貢献するものと考えます。本研究の具体的な取り組みとしては、肺がん患者の血液中アミノ酸濃度バランスに関するデータ解析、患者層別化マーカーとしての有用性の検証、アミノ酸濃度バランス変化のメカニズム解明などがあり、神奈川県立がんセンター総括の下、同センター、横浜市立大学、久留米大学および当社の産学連携体制で役割が分担され、当社はアミノ酸濃度バランスの解析や新たな分析法の開発を行います。
当社は今後も「アミノインデックス技術」の活用により、がんや生活習慣病を含めた様々な疾病の予防や早期発見につながる検査の研究開発を進めると共に、▇▇の研究で培ったアミノ酸に関する技術を通じて開発した素材や製品、サービスの提供により、生活者の快適な生活の実現と健康寿命の延伸に貢献します。
なお、本件が2019年度業績に与える影響は軽微です。
※1)医療課題の解決につながる研究・技術を公募、選定し、予算を配分して研究推進を図る研究開発法人。2015年に内閣府・文部科学省・厚生労働省・経済産業省が共同で設立。
※2)様々な検査結果を分析することによって特定の集団をグループ分けするための指標。
※3)本来の免疫力を回復させてがんを治療する薬剤で、これまでの抗がん剤とは全く異なるメカニズムを持つ。
※4)切除不能な進行・再発等の非小細胞肺がん。
※5)がん細胞によって形成されるがん局所の環境。血管新生の促進など正常組織とは異なる生体反応が認められる。
再委託研究開発契約書調印式
( 写真左より 地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立 がんセンター ▇▇▇▇総長、味の素株式会社 代表取締役社長 ▇▇▇▇)
<参考資料>
・地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター
昭和38年に神奈川県立成人病センターとして発足しました。その後の社会環境の変化と人口構造の高齢化を踏まえ、昭和61年に神奈川県立がんセンターと改編し、現在では、都道府県がん診療連携拠点病院として、また、がんゲノム医療拠点病院として国から指定を受け、神奈川県内のがん医療の中核的な役割を担っています。さらに、研究部門として臨床研究所を設置し、がんの発生原因に関する基礎研究や、臨床部門との緊密な連携によるがんの診断方法、治療法の開発などの研究を行っています。
味の素グループは、食とアミノ酸の分野で、先端バイオ・ファイン技術が先導する、確かなグローバル・スペシャリティカンパニーを目指しています。
私たちは、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートメッセージに、アミノ酸が持つ可能性を科学的に追求することで、事業を通じて世界中の人々のウエルネスに貢献し、地域や社会とともに価値を創出することで、さらなる成長を実現してまいります。味の素グループの2018年度の売上高は1兆1,274億円。世界35の国・地域を拠点に置き、商品を販売している国・地域は 130以上にのぼります(2019年現在)。詳しくは、▇▇▇.▇▇▇▇▇▇▇▇▇.▇▇▇をご覧ください。